スマホケース自作[3Dプリンタ]
現在使用しているスマートフォンケースが、何度もの落下によりケースとしての保護機能を失っている状態なので新しくスマホケースを用意する必要が出てきました。そこで今回は、市販されているスマホケースを買わずに、3Dプリンタを使って自分で製作してみたいと思います。
3Dプリンタの記事は始めてなので、簡単に3Dプリンタの使い方から説明していきます。そんなの知ってるよって方はとばしてください。
3Dプリンタの使い方
1.製図(3DCAD)
2.Gコード作成
3.プリント
1.製作物の大まかな形状が決まったら3DCADソフトを利用して製図します。私が普段使うのはSOLIDWORKSです。SOLIDWORKSはフリーソフトではありません。学生、教員、個人であれば無料で使えるものでは、Fusion360というCADソフトがあります。
また、スマホケースなどの製図のデータは、3DCADデータ無料ダウンロードサイトで入手することが出来ます。GrabCADなど。
2.3Dプリンタを動かすためには、スライサーソフトによりSTL形式のデータを3Dプリンタの制御コードであるGコードに変換する必要があります。スライサーソフトでは、充填密度やプリント速度などを設定します。これらの設定によりプリントがうまくいくかどうかが決まります。
3.最後にプリントです。実際にプリントするには3Dプリンタを動かす制御ソフトが必要です。制御ソフトによりプリント出力します。この過程では、考えて何かすることはほとんどないです。
スマホケース製作(PLA)
今回はGrabCADというサイトを利用して製図データをダウンロードします。自分で製図するとなると、スマホにピッタリとフィットさせるのに手間取りそうだったのでサボりました(笑)
会員登録し、Community→Libraryでiphone caseと検索し、適当に使えそうなのをダウンロード。データ形式はSTLです。マイナーなスマホの場合は、データがないかもしれません。その時は、別のダウンロードサイトを利用してください。それでもない時は、、、自分で製図しましょう!
今回使用する3DプリンタはMUTOHの3D Magic Egg MF-1050です。フィラメントはとりあえずPLAにしました。がプリント後アクシデント発生。。。後述
MFシリーズでは、Slic3rとCuraの2種類のスライサーソフトをサポートしている(3Dプリンタの武藤工業株式会社より)ので、Curaを使ってGコードを作成しました。
PLAだからまあ失敗することはないだろうということで、各種設定値は適当に設定。
MFシリーズではPronterfaceという制御ソフトを使います(3Dプリンタの武藤工業株式会社)。
出力結果
いい感じに仕上がりました。
横の部分にサポート材を使用しているので取り外します。
重さは17gです。材質がPLAなので結構軽いですね。
と、ここまでは良かったのですが、、、
ケースの引っかかりというか抑えの部分が大きかったのか、肝心のスマホが入らない(´;ω;`)
材質がPLAなので弾性があまりないため反らせすぎると割れそう、、、
引っかかりの部分を削るという手もあったのですが、仕上がりが汚くなりそうだったので強引にいくことにしました。
まあ、そうなりますよね。見事に欠けました。この状態からでも入らなかったので、さらに無理やりねじ込もうとしたら側面なくなりました(笑)
ということで、材質をPLAより弾性のあるABSに変更し再チャレンジ!
スマホケース製作(ABS)
PLAとABSでは溶ける温度が違うのでCuraで設定を変更します。また、ABSは収縮により反りが発生することがあります。対策として、プリントベッド(プレート)へより定着させるために1層目のプリント速度を遅くしました。
しかし、それだけでは対策が不十分でプリント失敗、、、
少し分かりずらいかもしれませんが、上図のように反りが発生してしまいました。プリント速度とは別の対策をする必要がありそうです。
反りへの対策
対策1:4角に足をつける
製図で造形物の4角にプリント後に取り外す足をつけます。足は薄くて大丈夫です。
この方法は、製図の段階に戻るという手間はありますが、反りへの対策には最も有効でしょう。
プリント時に足も剥がれるようであれば、足の部分をプリントベッドにテープで固定すれば、反りによる剥がれはなくなります。プリント後にこの4角の足を取り除けば完成です。
対策2:接着剤で固定
接着剤を造形物の淵沿いに塗る。積層していく度に淵を塗っていき、プリントベッドからの剥がれを防ぎます。造形中近くにいる必要があるのは少し面倒です。私の場合はタミヤの接着剤を使っていますが、メーカーごとに専用の接着剤が販売されています。また、専用の両面テープやマスキングテープもあるようですが、使用したことはないので紹介だけ。
オープンキューブ 3Dプリンタ SCOTCH BLUE TAPE #2090(0.94inch/60Yard) マスキングテープ BT-2090-I094Y60
- 出版社/メーカー: オープンキューブ
- 発売日: 2014/06/11
- メディア: Tools & Hardware
- この商品を含むブログを見る
スマホケース製作(ABS)[続]
今回は上記で紹介した対策2を使いました。プリント結果は下画像の通り
剥がれることなくプリントすることが出来ました!
これで終わりの予定だったのですが、ここでまたアクシデント(笑)
やっぱりうまくスマホにはまらない、、、
材質をPLAからABSに変えてみても期待していたほど反らせることが出来ませんでした。Curaで縮尺を変えてプリントしてみましたが、それでもはまらなかったので抑えの部分が大きすぎて、はめる際の邪魔になってしまっているようです。うん、ダウンロードしてきたデータがゴミだったってことかな(笑)
仕方がないので別のデータをダウンロードして再び制作
今度はうまくはまりました!スマホケース作るだけなのにえらく長い時間がかかってしまいました。みなさんはデータ選ぶときはちゃんと吟味してくださいね(笑)
仕上げ加工
プリント後の造形物は表面に積層した跡が残っています。その跡を消すためにアセトンなどを使い処理を行うことで積層の跡を目立たなくすることが出来ます。私はあまりそういうことを気にしないので今回は仕上げ加工は行いません。なので仕上げ加工についても紹介だけ。アセトンを取り扱う際には、その特性を理解し、事故のないよう十分注意してください。
おわりに
データが良くなかったので、スマホケース作るだけなのにえらく長い時間がかかってしまいました。みなさんはデータ選ぶときはちゃんと吟味してくださいね(笑)
今回はスマホケースを製作しましたが、3Dプリンタを使えば様々なものを作ることが出来ます。自宅や学校、会社に自由に使える3Dプリンタがない方向けに、3Dプリンタ出力サービスというものもあります。作りたいものがある方はぜひ利用してみてください!
それでは、また!